2004.4/3・4・11・13  屋根の上のヴァイオリン弾き

キャストも演出も一新した、新生「屋根の上のヴァイオリン弾き」を観てきました。
主人公のテヴィエはこれまで西田敏行さんが演じていましたが、市村正親さんが今回から三代目テヴィエを演じています。
そして、これまでフィドラーを演じていた駒田さん、今回は仕立屋モーテルです!
駒田さんのフィドラーの存在感好きだったのでちょっと残念でもありますが、駒田さんのモーテルを楽しみに劇場へ行きました。
(すいませんが話を知らない方、簡単な粗筋は前(2001年)の観劇レポをご覧下さい。)

ちなみに劇場も今回は帝国劇場から東京芸術劇場に移りました。
舞台も客席数も帝劇と比べるとコンパクトなので、どんな風になるのかと思ったのですが、きゅっとまとまった感じですねえ。
上手から下手への直線的な使い方を主にしていたのが、今回舞台奥に坂道が2つついて奥行きのある感じになりました。
で、その坂の下の崖(とも違うか)の部分にオーケストラが入ったのです。
通常舞台下にある筈のオーケストラピットがなくて、あれ? でもこれ生演奏だよね。あれ? ……と思ったら、普段は土壁で隠れているところが開いて、オーケストラが登場。
モーテルとツァイテルの結婚式と、2幕のオープニングとカーテンコールの時だけかな、オーケストラの皆さんが見えるのは。

私は森繁さん版見た事がなくて、西田さんのテヴィエしか知らなかったので、市村さんがテヴィエをやるとどうなるのかなーと思ったのですが、良いですね〜。
演出も大分変わって上演時間も短くなって、キャストの人数も大分減ったみたいです。
歌詞も微妙に所々変わったようです。
一番顕著なのはモーテル&ツァイテルの結婚式で歌う「Sunrise Sunset」で、これまで「陽は昇り また沈み」だったところが英語になってました。
でもチラシにはちゃんと前の日本語の歌詞が書いてある……。

で、ちょっともったいぶってみたけどメインの話題に移ります。
駒田さんのモーテル!
まず最初の「伝統しきたりの歌」で登場してきて息子達が歌う所、「花嫁がきれいなら いいな♪」の笑顔に「かわいい……」とくらり。
そしてその後テヴィエの家でゴールデ(テヴィエの妻/夏木マリさん)とイエンテが話してるところに「こんにちは、ツァイテルいますか? 話があるんですが」とやってくるモーテルの声の柔らかさにうわあ。
その時は「後で」と追い返され、その後でまたやってくるのですが、ツァイテル(テヴィエの長女/香寿たつきさん)と二人で話してる時も穏やかーな声で、目つきも柔らかで優しくて、モーテルってこんな人だったんだーとしみじみ(今まではヴァイオリンを弾いてる顔の白い人しか視界に入ってなかったらしい、私……)。
首から掛けたメジャーをもじもじといじくる姿が可愛いです。

長女に強く言い含められてテヴィエに二人の結婚の許可を貰おうと言い出そうとするのに結局言えない気弱なモーテル。気弱だけどとても優しくて純粋な人なんですね。
ツァイテルの婚約話などが持ち上がり(泣いて拒否するツァイテルに弱り切って婚約破棄を決めるテヴィエ)、今度ばかりはきっちりと幸せにします宣言をするモーテル、素晴らしいです、ほんと。何しろ「初めて男らしく話をした」んですから。
そう、誰にだって「幸せになる権利はある」んですよね。
テヴィエに結婚の許可を貰ってモーテルが歌う歌「奇蹟の中の奇蹟」がとてもいいです。
駒田さんの声(というか歌)だー! という感じがひしひしと。
今気付いたけどこれって原題「MIRACLE OF MIRACLES」なんですね。そっかあ、「MIRACLE」かあ(……と一瞬別の芝居の事をちょっと思ってみたりして)。

結婚式の前に礼服を着て鏡の前でポーズをとってみたりするモーテル、かわいい……。
そしてその次に、肉屋のラザールが(ツァイテルとの結婚が破談になって)キャンセルしたものを「彼から花嫁を取ったんだ、ついでに帽子もいただくさ」と言って買い取った婚礼用の帽子を袋から大事に取り出し、鏡の前でゆっくりと被るところは結婚式に臨むモーテルの気持が伝わってくるようで好きです。結婚式に向けて厳かな気分になりますね。

式の後のパーティーでは、新婚夫婦に贈られるプレゼントが読みあげられる度に感激して椅子から立ち上がり、横にいるテヴィエに座らされるモーテルが微笑ましいです。
その後パーチック(杉田あきひろさん)がテヴィエの次女のホーデル(知念里奈さん)と踊り出します。パーチックは都会から来た学生なので、村の人よりもずっと革新的です。
本来この村の住人は古いしきたりに縛られているので男女が踊ったりしてはいけないのですが、テヴィエもゴールデと踊り始め、うろたえる村人達をよそにそれをしばらく端の方で見ながら考えていたモーテル、よしっと決意して反対の端の方にいたツァイテルのところまでつかつかと歩み寄り、はっしと彼女の手を取り踊り出します。
それをやめなさいと身振りで止めようとしている女性がいるのですが、彼女はモーテルの母親だそうです。
愛する人を手に入れて吹っ切っちゃったのか、気の弱いところは影を潜めてますね。
でも元々モーテルとツァイテルというのは仲人を立てて親の決めた相手と結婚するという「しきたり」を既に破って結婚した訳で、他の村人よりは柔軟な考え方をしているのでしょうからこの行動も必然的と言えば言えるのかもしれません。

そして間の悪い事に、このパーティーの真っ最中にロシア人の襲撃を受けます。
村人達が逃げ出し、嵐の去った後のようにめちゃめちゃになったパーティーの会場。
しばらく茫然としていますがテヴィエの「片づけろ」という言葉にようやく動き出す家族達。
モーテルが一番最初にするのは、ブーケを拾ってツァイテルに手渡す事です。
なんだか泣きたくなるくらい優しい人です、モーテル。幸せ者だなあ、ツァイテル。

片づけ始めた所で、遠くで他の家が襲われる物音が聞こえて、声もなくテヴィエが空(神様)を見上げるところで一幕が終わるのですが……。
どうも、思ったよりも長くなってしまいましたね。
続きは中日劇場レポで書く事にします。

(す、すみません、結局中日劇場のレポ書いてません。続きは短いですが2006年の公演レポで。)

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