2006.2.4・18・26  屋根の上のヴァイオリン弾き

日生劇場で「屋根の上のヴァイオリン弾き」を観てきました。
今回は1月に博多座で、2月に日生劇場で公演が行われましたが私は日生しか行っていません。日生で3回観ました。
(細かには書きません。粗筋は2001年の観劇レポを参照してください。)

東京芸術劇場のサイズから日生に移っても舞台はあまり変わってないみたいですね。
日生でもやはりオーケストラは舞台上の崖の下でした。

まずは初日メモをちょろっと。
当日まで知らなかったのですが、日生初日は市村さんのテヴィエ100回目だったのですね。
終演後にお祝いの看板が上から降りてきて、駒田さんの司会で市村さんへのお祝いの言葉と花束贈呈、市村さんの挨拶がありました。
花束が渡される時に駒田さんがアカペラでBGMを入れていたのが楽しかったです(^^)

一昨年の公演の時に東京公演のレポでおおまかに第一幕の話をして、二幕の話は名古屋のレポでと書いておきながら結局書けなかったので、二幕を中心に書いて……いきたいところなのですが、一幕についてもちょろっと。
テヴィエやラザール・ウォルフ、もちろん駒田さんのモーテルなどは同じ配役ですが、ゴールデや娘達は変わりました。ゴールデは夏木マリさんから浅茅陽子さんに。夏木さんの方が恐そうな奥さんだったかな(^^;)
あとパーチックも変わりましたね。
前回は杉田あきひろさんでしたが、今回は吉野圭吾さん。吉野さんは以前もパーチックやっていたので、なんとなく安心して見られました。
パーチック登場シーンで、テヴィエが彼を家に招く時に「我が家のチーズで一杯やるべし」云々と思いつき格言を「聖書に曰く」と言って、司祭様の息子のメンデルに聖書のどこに載っているんだとつっこまれたテヴィエ、2004年の時は割と日替わりというかその返事が変わっていて、「チーズ編」とか「もっと新しい聖書」とか「○○ページ前後」と言っていましたが、今回は私が観た3回とも「居酒屋編」でした。
そう言えばここ西田さんも何パターンかありましたよね。
モーテルの結婚式でモーテルの斜め後ろに立ち、とりあえず村人達に最初は合わせているけれど耳を塞いで顔を顰めていたり、そこここで旧態依然とした村人達との差が出ているパーチック。ちょっと楽しい。

駒田さんは今回も素敵でした〜。
そして去年ダイエットしたそうで男前度が格段にUP……(*^^*)
「こんにちは、ツァイテルいますか?」とか「んー?」「会ったよ」といった話し方がもう他の役の時と全然違うのです。柔らかーく優し〜い感じなのです。うっとり。
そしてモーテルとツァイテルの結婚式、前回はフィドラーがいなくて淋しかったんですよ。キャストの人数が大幅に減ったのが一因のようですが、駒田さんがフィドラーやっていた時にこう、フィドラーがモーテルの周りを回って端に行っていた、あれがないのはさみしー(T-T)……と思っていたのですね。
今回結婚式にフィドラー復活しました〜!
嬉しい。……というか、初日観た時はフィドラーがいるのを普通に受け入れてしまって、前回いなかったのを忘れてました(笑)。だっているのが普通だったので、私の中では。
その後のパーティーにもフィドラーいるのは嬉しかったり。
あとボトルダンスの緊張感が好きなんですよね。見入ってしまう。

あ、結婚式より前のシーンに話戻しますが、テヴィエの夢のシーン。
ラザール・ウォルフの死んだ前妻フルマセーラの変貌ぶりに驚きましたねえ。
いえ、前回も微妙に衣装の色は変わっていたのですが今回はそれどころではなく、これまで髑髏風だったメイクにスカーフで頭を覆っていたのが、今回は妖怪風というか化け物風というか、少なくとも髑髏よりは人に近い恐ろしげなメイクで、真っ赤なドレスになっていました。で、髪は隠していなくてベール被っていたんだったかな。
びっくりしました。サイズ(でかい)や指の長い手とか、もちろん重要な真珠のネックレスとかは変わりませんが(ちなみに演じていたのも園山晴子さんから富田浩路さんに変わっていました)。


パーチックと恋に落ちる次女のホーデルは今回剱持たまきさんでした。
ホーデルはやはりアナテフカの駅でテヴィエと別れるシーンでの歌が一番の見せ場でしょうね。
そうそう、ここのシーンですが、前回からの大幅な変更で以前はテヴィエに「パパ。今度、いつ会えるかしら」と言っていたのが「神様だけが知ってるのね、今度いつ会えるのか」に変わったのがもう何度見ても違和感が拭いきれず……。前の方が好きだったなあ……。

そしてユダヤ人は村から立ち退きを迫られます。
テヴィエの家に村人達が集まっている時にそれを告げられ、三々五々、村人達は家に戻る(その後残った人とテヴィエ夫妻で「アナテフカ」の歌が入ります)のですが、モーテルが「行こう、母さん」と言って母親を抱えるようにして立ち去るのですが、この台詞前回は無かったですよね。確認しないとあれがモーテルの母と確信出来なかった位ですから。
関係ないけどテヴィエの家の玄関先のベンチが無くなっても「アナテフカ」の歌詞からベンチは無くならないのねとかどうでもいい事を思ってみたり(ベンチがないので「Do You Love Me?」でテヴィエとゴールデが寄り添うシーンが無くなっていたりもします。それとも逆にそれがないからベンチが無くなったのかな?)。もちろんテヴィエの家のベンチが全てではないので歌詞にあっても当たり前かもしれませんが。

旅立ちの日、テヴィエの家でまとめた荷物を馬車に載せたり家の後始末をしている時に入れかわり立ちかわりイエンテやラザール、そして三女のチャヴァが別れの挨拶をしていきます。
そして、資金を溜めてからテヴィエ達に合流する予定のモーテルとツァイテル(と赤ちゃん)も一旦別れなければなりません。
「しっかり働いて(稼いで)、急いでやって来い!」と言うテヴィエにモーテルが「はい! 一所懸命働きます」と答える、このシーンがね……ものすごく胸にしみるのですね。
その前にゴールデに「さよなら、母さん」とお別れを言うこの台詞で盛り上がった後に、とどめを刺すような「一生懸命働きます」の言い方が、モーテルの優しさと善良さ(のようなもの)が滲み出ていて見るたびにうるうるしてしまうのでした。
あの荷物から察するに、多分やっとの事で買ったミシンをまた売らざるを得なかったのではないかと思いますし、テヴィエ達の所にモーテル夫婦が行くまでにはものすごい時間が必要でしょう。
そういう事を考えると、この別れというのはとても重い。

馬車に荷物を載せて家を後にし、村人達と輪になって礼をし、それぞれ旅立つ際、馬車は輪の中央にあります。
かつてはそうではなくそのまま馬車が動き出すとその陰に隠れていたフィドラーが見えるようになる、という演出でしたが、馬車の位置の都合もあるからか前回よりフィドラーは袖から現れます。
その後振り返ったテヴィエについてくるように示されて、テヴィエ達にフィドラーがついていくのは変わりません。でもまだ馬車の陰からフィドラーが現れるのをついつい待ちかまえてしまう私でした。

最初のトラディションの時に、皆で歌っているのに駒田さんの声が響いてきたりすると得した気分になってみたり。
「Miracle of Miracles」駒田さんの歌声が大好きだ!(どうしても最後はそこに行く私。)

なんだか二幕の話が少ないですが、今回はこの辺で。

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