2003.2.13 MIRACLE 東京公演
ミラクルの東京公演です。
これは浜松町のメルパルクホールで行われました。
東京公演はこの一度だけです。
一般の人が見られるのもこの一度だけ。貴重な日です。
会場では今年のバージョンのミラクルのTシャツや原作本、駒田さんのCDなどが売っていました。
始まって、いきなりトラブル。
シド(あおい輝彦さん)がピアノの上に置いたラジオを付けても音が出てこない。
ここは、30年ぶりの寒波がやってきて雪になるという放送で、それを聞いて早くこの街を逃げ出して暖かい所に行かないと、とシドが旅支度を始めるところなので音が出ないのは大問題。
ちょっと間を置いて舞台袖から読み上げてくれたのでなんとかクリアしました。
初めて見た方ならともかく、ちょっとハラハラいたしました。
ダダ(駒田さん)とエラソーニ(井上一馬さん)はシドとアルが出発しようとしている北の駅でアルを見つけます。
コートに帽子、スーツケースを持って踊っている人々に二人がいたずらをしているところにアルの歌声が聞こえてきて、彼を見いだします。
いたずらは…旅行鞄を違う場所に置いてみたり、ダダが帽子をとってそれを振って風を送ると寒けがしたりなんていう罪のないいたずらです(^^)
二人はアルに歌いかけるのですが、二人が見えないシドにアルは連れて行かれ、二人はそれを追って南の街に行くのです。
南の街で新潟公演の時「え〜、越後名物笹団子いかがっすか〜」とやっていたところは東京だとどうなるんだろうと思っていたら、ちょうど13日でしたので「え〜、バレンタインのチョコ、用意しました?」と客席に問いかけるようになっていました。
最初二人の幽霊の前から逃げ出したアルですが、二度目に会った時はアルの知りたい事を一緒に探したいという二人と仲良しになります。
ママを探して心ならずも騒ぎを起こしてしまった時は、(これって私達のせい?)といった感じで頭を抱えるダダとエラソーニ。
幽霊が見えている限り大人になれない、あなたのママは死んじゃっている、とアルはキキという少女に言われ、その時舞台の反対側にはシドとミナがいて、シドはアルに本当の事を言わなければいけない時が来ている、現実を見ないといけない、とミナに言われます。
この時見られる幽霊達の人形のような動きはとても印象的です。
ゆらゆらと動いてくるりと向きを変える。…無言。
この時はアルの声も聞こえていないような感じ。
アルが大人になってしまうと幽霊達の姿を見る事が出来なくなってしまいます。
アルと幽霊達の三人の状態が永遠でない事を暗示してもいるのかな?
ミナ「息子さんはどうなるの? あなたを信じてるのに」
その言葉から逃げるように顔を背けたシドの前にはアルが立っています。
アル「パパが僕に嘘つく筈がないじゃないか!」
(でも劇中での空間が違うので二人の視線は合わないまま……)
現実から逃げ続けているシドと、その父親を信じているアル。
この関係はちょっと不幸かも?
二幕はサプライズ・コートのCM撮りのリハーサルで始まり、雪が降ってきます。
人気がなくなってから出てきたダダとエラソーニはその音楽で「サプライズ・コート♪」と歌いながらちょっと踊ってて楽しい姿を見せてくれます。
動物ものに弱い私としては、キキのコトリの話(というか歌)も結構泣きどころだったりするのですが、これは見る度必ずという訳でもないかな。
(というよりも、再演の笹本さんの時はまったく泣けなかった。キャストのせい?)
キキに幽霊と別れないと大人になれないと言われて無理矢理ダダとエラソーニから「どっか行ってよ!」と離れたアルですが、その後キキと話し、シドからママとシドのなれそめを聞いたりしてやっぱり二人と一緒にいたいと思います。
本当はシドはその時にママが死んでしまった事も話そうとしたのですが、言おうとしたその瞬間に雪が降ってきてしまうので、雪が降ったらママが帰ってくると嘘を教えていたシドはアルにそれを言えなくなってしまいます。
一人で部屋に戻ったアルが姿を見せない幽霊達に話しかけて許しを請い、その時前と同じくダダはピアノの後ろ、エラソーニはソファの中から現れてくるのですが、ダダの
「アル、もういいんだよ」の声がとても優しい……(T-T)
「許してくれるの?」「当たり前だろう、友達じゃないか!」
その後、ママに会ったらなんて言おうか考えなくちゃ、だから少しだけ僕を一人にしてくれる? とアルに言われて二人は部屋を出て行くのですが……。
ちょっと前のアルなら「一緒に考えてよ」と言うところを、一人で考えようとするところが大人への第一歩。
「がんばれよ! アル」「ママによろしくな」と雪の舞い散る中去っていく幽霊達の姿がアルの目にすることの出来た彼らの最後の姿なのですね。
来年以降再演あるのか判らないし、もう二度とダダに会えないような気がして私はここからもう駄目でした……(泣)。 再演はあるらしいですが。
※ダダとエラソーニの台詞、燕尾服の色で色分けしてみました(^^)
シドのあおいさんの歌、結構好きです。力があるって言うのかな。
ダメパパも苦しんでいるんですが、お酒に逃げちゃいけません。
今回インフルエンザが残っていたのか、それとも花粉飛び始めてるのか、妙に客席で咳やくしゃみが目立って見ている側としてはベストと言える環境でもありませんでした。
それは仕方ないのは判ってるんですが、せめて口覆うとかして音量おさえる努力はして下さいよ(>私の隣に座っていた方)。
おまけにどこかで携帯数度鳴ったし、気のせいか「もしもし」とか聞こえたし(怒)
それでも、いいものはいいのです。
またダダ達素敵な幽霊に会える日を願って……。
今年の「MIRACLE」レポはおしまいです。