2000.10.28 新血鬼DRACULA
アートスフィアでタナボタ企画の「新血鬼DRACULA」を観て来ました。
これは「貧血鬼DRACULA」がパワーアップして帰って来たものです。
「貧血鬼〜」をチケットが取れずに観られなかったので、楽しみにして行きました。
端の方だったけど前から4列目。楽日前日の土曜にしては良いお席だと言えるでしょう。
自分よりも美しい女の血しか吸えないために貧血気味の吸血鬼、ドラキュラが岡幸二郎さん、ヘルシング教授が林アキラさん。
岡さんは他にドラキュラにとりつかれた青年ブラッドと、エリザベールで3役。
アキラさんはルーシーの母親もやってました。
例のごとく岡さんが衣装デザインやっていたのですが、豪華でいいですねー。
今年の4月に観たスタジオライフの「DRACULA」でも、ドラキュラのマントについて書いたのですが、私としてはやっぱりドラキュラのマントの裏地は真紅でなくちゃ、と思うわけです。
今回のドラキュラのマントの裏地は真紅でした。
うんうん、こうでなくっちゃね。良く判ってらっしゃる、岡さん。
エリザベールというのは、エリザベート(シシィ)よりも美しいがためにエリザベートによってロンドンで幽閉生活を送っている皇女で、その侍女の弟であるブラッドの恋人だったのですが、ブラッドにドラキュラがのりうつってドラキュラの餌食になってしまったのですね。
彼女の、「美しいものしか愛せない」性格の影響を受けてドラキュラは自分より美しい女の血しか吸えなくなってしまったのですが、このエリザベールの歌った歌が面白かった。
「シシィより美しいそれだけで帝劇に出られないなんて」
これ、CDでは「人前に」なのですが、今年「エリザベート」やったし、帝劇。
ヘルシング教授は(出だしだけですが)トートがエリザベートに呼びかける音程で「エーリーザ べェェェ〜〜〜ル!」相変わらずタナボタの皆さんは面白い。
ドラキュラは最初美しいミナ(伊藤恵理)を狙い、彼女に自分の血を飲ませて仲間にしてしまいます(そしてますます貧血になるドラキュラ……)。
でもミナは夫のジョナサン(小林仁)が泣く泣く杭を打ち込んで殺して、そしてドラクル公(ドラキュラ)の死んだ妻、パーミラの生まれ変わりであるルーシー(高谷あゆみ)によってドラキュラはパーミラを愛していた昔の心を取り戻すのですが、ジョナサンがドラキュラを狙って撃った銃からドラキュラをかばってルーシーは撃たれてしまいます。
「貧血鬼」の時は林アキラさんがルーシーやっていたのですね。
ってことは、キャストの人数は初演より増えているのかな?
私前にどこかで高谷さん見たことある気がするのだけど、一体何の舞台だろう。
思い出せないなあ。
ラストのマジックが見事でしたねー。
ドラキュラの死体に布をかぶせて、それが空中に浮かび上がって、死神が布を取り去ると何にも無い。
そして再び布を広げてその布を取ると、ブラッドが立っている。
うーん。素直に感心してしまいます。すごい。
そうそう、死神(上垣内ふみ)、黒いレースの総タイツ(?)着て、台詞は一切なしで蠢いてる。良かったですねー、これも。
この死神、男だったら絶対駒田さん、と思いつつ見てました。
3役の岡さん大変だったでしょうね。
ドラキュラとブラッドの髪形が違うので(エリザベールは2幕の最初だけだからともかく……これもすごく大変でしょうが)どうしてるのかなと思ったのですが、どうやらブラッドはかつらだったみたい。すごく自然だったけど。
私個人としては一番最初のドラクル公のナチュラルな髪が一番好きです。
林アキラさんはルーシーの母親以外は正統派って感じでした。
「真説・ロミオとジュリエット」の「レミゼ チャンチャカチャン」みたいなはじけ方はしてなかったけれど、楽しい舞台でした。