2000.4.20 DRACULA
シアター・トラムにスタジオライフの「DRACULA」を観に行って来ました。
スタジオライフは前から一度観てみたかったのですが、初めて観ました。
「トーマの心臓」などをやった頃から気にはしていたのですが、今まで観に行く機会がなかったんです。
やっぱりというか何というか、客席は若い女性が多かったですね。
スタジオライフは役者が男優のみだというのは知っていたのですが、細かいことは知らなかったので、男役しかない舞台なんだと何故か信じ込んでいたんです。
そうしたら、始まって舞台に立っているのは女の人二人。
発する声は低い。
そうかー、ここは女役も男性がやるんだったのかー。
男役しかない芝居なんて限界がありますもんね、考えてみれば。
あまりにも声が男なので一瞬非常に違和感があるのですが、でも始まってしまえばあんまりこういうのって関係ないんですよ。
芝居に入ってしまえば演じてるのが男だろうが女だろうが変わりないですからね。って、意外と私宝塚もいけるんだろうか、いまのところ食わず嫌いですが。
原作は言わずと知れたブラム・ストーカー。
わりと原作には忠実だったかもしれない(?)。
最初のうち、ドラキュラは出て来ないままで存在が示唆されます。
ルーシーが夢遊病者のように歩き回って、日に日に弱っていったり、コウモリが飛んだり。
最後までドラキュラ出て来ないんだろうか? でも、チラシの写真はドラキュラだろうしなあ……と、ちょっと不安に感じ出した頃。
現れたんですよ、彼が。
起き出したルーシーの血を飲むために(それまでは吸血シーンなしでルーシーの血が抜き取られていることが表現されていた)現れるんですが、そうだよねー、やっぱこうでないとね、と嬉しくなってしまう仕種。
バックの音楽がまた良いです。
ドラキュラ伯爵、としては私の感覚からすると少なくともあと5歳から10歳位年取ってて欲しいけど、それは置いておいて。
白いメッシュが前髪に入ったドラキュラ伯爵はなかなかです。
土地と屋敷の売買契約の仕事でトランシルヴァニアのドラキュラ城にいたジョナサン(ミナの婚約者)の日記を元にした、当時の再現がルーシーが死んだ後のシーンに入って来て本格的にドラキュラが出てくるのですが、いかにも吸血鬼っぽい(私としてはすっごく楽しいけど、悪く言えば型にはまったとも言えるかも)エキセントリックなドラキュラ伯爵がナイスです。
話はなんとなく大体原作通りに進むのですが、ここがやっぱりスタジオライフなのかな、と思った(すいません、この劇団初めてなので見当外れの事書いてたら教えて下さい)のは、ドラキュラは最初ルーシーを吸血鬼にして、ルーシーは婚約者の手で胸に杭を打たれ、次に狙われたのはルーシーの親友でジョナサンの婚約者のミナ。
ミナの血を吸って、自分の血をミナに飲ませて支配下に置こうとしていながら、ドラキュラが真実手に入れたいと望んだのはジョナサンなんですね。
ジョナサンの血は吸わずにいたんですけど。
最後はドラキュラは自らジョナサンの手にした杭に飛び込んで行って、己の胸に杭を埋めて果てます。
何でミナじゃなくてジョナサン? と思いつつ、構図的には嫌いじゃない自分がなんとも(^^;)
でも、ドラキュラ伯爵のマントの裏地はやっぱり真紅にしてほしかったなあー(黒だった)。
舞台はわりとシンプルでした。
上から吊った二つの骨組みが、ドラキュラ城のシーンになると二つ合わさって屋根のようになる舞台美術も結構好き。
スタジオライフ、くせになるほどはまったわけじゃないですが、面白そうなものがあったらまた行きたいです。