2001.10.13 ゼロ番区
RISU PRODUCE vol.3
松本リスさんプロデュースの「ゼロ番区」を新宿のシアターモリエールで観て来ました。
松本リスさんは今井雅之さんと「The Winds of God」に出演していたキンタ役でなじんでいて、キンタ以外の役って初めて見ました(CMとかには出てましたけど、お芝居は今まで行き損ねてまして)。
今井雅之さんからお花が届いていました。
舞台は、小菅の東京拘置所の死刑確定者の房です。
新しく古木看守長(矢田政伸)が来てから独居房にいた死刑囚4名が雑居房で一緒にされる。
死刑囚達は番号で呼ばれるが、当人同士は名前で呼びあっています。
呼称番号150番・南死刑囚(松本リス)が一番長く、彼を筆頭に270番・秀島(清水拓藏)、2150番・浜田(峯村淳二)、570番・今西(岡安泰樹)の4人。
過去に家族を殺されている古木看守長は死刑囚達を憎んで人間として扱わず、暴力・嫌がらせの数々を与える。それに反抗すると懲罰房に入れられるのです。
死刑囚達と看守達の間にも色々起こりますが、死刑囚達個人でも問題を抱えていて、今西は冤罪として判決をひっくり返すために懸命になっているし、俳句が趣味の浜田はひどい偏頭痛を持っている。
ゼロ番区と呼ばれる死刑囚の房でのお話。
休憩無しの2時間位ですね。
「The Winds of God」に出ていた方が松本リスさん始め、清水拓藏さん、矢田政伸さん、岡安泰樹さんと4人出演していました。
「WINDS」でのあの独特の口調は、キンタの口調かと思っていたらリスさんの口調だったんですね(^^)
松嶋少尉の秀逸な演技が印象的だった清水拓蔵さんの演ずる270番(先輩と
呼ばれてました。150番がいるのは5年9か月と一番長かったけど、彼のが年下なの
でしょう)は元チンピラで赤いアロハ着て、とても新鮮な感じ……。
98・99年の「WINDS」で寺川中尉をやっていた矢田さんの看守長は、今回ちょっと嫌な奴(笑)。
死刑囚達の公判の記録を取り寄せて、南(150番)の殺人の動機が両親を惨殺された事による復讐だったことを古木看守長は知ります。
少年の時に祖父と共に外出していた時に二人組の強盗に襲われ両親は殺され、数年後に二十歳になった時に、出所してきた二人を殺して死刑になったのです。
浜田は脳腫瘍で執行を待たずして眠るように死亡、そしてクリスマスが近付く頃、南に死刑執行の通告が。
想像以上に重いテーマのお芝居でした。
予想外に泣いちゃったし。
最期に態度を和らげた古木看守長に南が訊ねると、彼は言います。
「俺も同じ事をしていたかもしれない」
「それで正解ですよ。結局何も変わらなかった」
執行で足元の板(?)が開く音と言うか、彼の落ちる音というか、暗転した中でのあの大きな音はびくっとさせられました。
オープニングで17歳の彼が吸っていた煙草はショートホープで、ラストシーンで20歳の彼が吸っていたのはハイライトです。
あれに意味があるのかないのか、ちょっと気になる(笑)。
すいません、しょうもない話で。
全席自由席っていう小さい劇場のお芝居は本当に久し振りでしたが、満足のゆく良いお芝居で幸せでした。
初めて行く(と言っても役者さんは初めて見た訳では全然なかったけれど)劇団とか制作のお芝居が当たりだととても嬉しいですね。
「WINDS」が終わってしまってもそれぞれの道でみなさんに活躍して欲しいです。