以下、風樹さんに制作過程が見たいとご要望いただいたので載せてみます。
まず本文作成。
「魔女の夢」やりながらぽちぽちと打ち出し、ちょっと改行で悩みつつも行頭の一文字下げだけ追加。
とりあえずB5で16ページ(片面8ページ)にするにはここが○ページでその裏が●ページだからここに配置、とごちゃごちゃ悩みつつ完成。
wordで1枚の紙に順番通りでない位置に8ページ分を印刷ってできるのかもしれませんが私には無理だったのでExcelで1ページ分の文章を1つのセルにぶち込むという方法で作りました(Excelで縦書きって綺麗にならないのでこの時点で縦書きは諦めた)。
そして試しにコピー用紙に印刷、折り紙で表紙と見返しを付けてホチキス止めで色と大きさのイメージを見てみる。
それがブログに載せた黒い簡単試作本。
これは大きすぎ! と思い、それを更に75%に縮小してA5サイズで両面印刷したのが左の写真です(A4に二冊分印刷)。
今回はそれほどページ数も多くないので平綴じでなく中綴じです。
見返しは色画用紙を使いました。
本文ページに奥付入れる分が残らなかったので、見返しに奥付を別途印刷しています。
中心の線をグレーの点線で印刷していたので、中心を最初に設定、高さは決定してるけど端はまだ、という状態で目打ちはないのでコンパスの針で穴を開け、本文と見返しを糸で綴じます(この辺私のPCでページ作る技術がグダグダなせいで変な順番の作業になってると思います)。
綴じてから端をカットしたものがこちら。
出来上がった本文のサイズを計って、その前に作った豆本の作り方を参考に表紙の厚紙を切り出します。
とは言え、先に作った豆本は平綴じだったので、中綴じの本文に対してサイズがこれでいいのかやってみないとわからないのでとりあえず試しに一冊分。
そして表紙を用意しますが、これまで作った豆本は紙の表紙、今回は布の表紙です。
そのまま布貼ったら駄目だよね、と検索して、やっぱり駄目だよな、と複数のサイトを参考にしつつ、布の裏に紙を貼ります(裏打ちという作業)。
丁度別件で買った書道用の半紙(別に習字をやった訳ではない)を使いました。
表紙・裏表紙と背の厚紙を貼り、周囲を残して布を切って表紙を作ります……が。
本文と合わせてみたら少し大きかった……。
なるほど、こんな感じかと納得したところで表紙の厚紙を二冊分作り直します。
この失敗した表紙どうしよう、と考えて、本文の試作と合わせて一冊にしたのが先程紹介した、ブログに載せた試作のもう一冊の分です。
表紙用の布の裏打ちを二冊分。
これ、最初の試作よりも少し薄い紫と、赤紫っぽい色の二色ですが、最初は一冊は黒にしようかなと思っていました。
しかし、手持ちの黒い布に白い紙を合わせると少し透けて……これは駄目だと。
ちょっと織り目が粗い布しかなくて断念しました。
もっとちゃんとした黒い布あった筈なんだけどと探すも、豆本一冊には足りない端切れしかない。
どうやらコスプレキューピーの衣装で使ってしまったようで。
私のキューピー黒布率高いので(^^;)
また買っておかなければ。
買うまで時間が開くと勢いが削がれるので赤紫に変更。
これは、二冊のうちの一冊の見返しが赤なのでそれに合う色を選んだ結果です。
最初の時は厚紙がのる部分だけ裏打ちしましたがやりにくかったので全面に変えました。どうやらそちらが王道のようです。
それから厚紙貼って周囲をカットして……。
こうなって、表紙完成。
見返しに糊を塗って本文を合わせて、みぞに竹串をかませたら数冊の本を重しにしてプレス。
自作のコウモリの消しゴムはんこを布用インクで表紙に押して、完成!
紙を貼る以外に布の表紙にタイトルをつける技術が私にないので、今回はスタンプのみです。
紙を貼りたくなかったのです。
でも何もないと開くまで表裏がわからないので、苦肉の策です。
中はこんな感じです。
赤紫の中は赤(真紅ではない)、紫の中は薄紫。
かっこいい感じと落ち付いた感じでしょうか。
赤紫の方を風樹さんにお贈りすることにします。
標題紙と奥付。
「Printed in Japan」とかなんとか入れようかとも思いましたが、奥付部分が広くなってしまうのでやめました。
ちなみに試作と一緒に並べるとこうなります(真ん中が試作)。
大きいのは横幅だけで高さは合っているので並べてもあまり変わらないですね。元々微妙な差異ですし。
試作は表紙が本文と比べて大きいので、チリ(本文からはみ出した表紙の内側部分)が広いのです、こんな感じに。
試作の本文は少し背が低いので全体的なバランスは取れているという……(^^;)
あと試作は試作なので奥付印刷してません。
さて、まだ終わりません。
今度は函を作ります。
本のサイズに合わせて厚紙を切って、それをくるむ紙は背になるところにタイトルを印刷。
本にタイトルが入ってないのでせめてと函に入れました。
厚紙は表紙に使ったものより薄い工作用紙で、方眼が印刷されたものです。
紙でくるんじゃえば見えない、と思ったら方眼が透けたので内側に。
中を覗くと枡目が見えます(^^;)
これで全て完成!
ちなみにどれくらいの大きさかといいますと、京極さんの「姑獲鳥の夏」のノベルズと並べるとこうなります。
全然豆じゃない!
……というのはもちろん嘘で、これは映画の前売特典の豆本です。
ちなみに映画は見ておりません(映画は見たくないが豆本は欲しくて前売を買い、前売券は人に譲った私)。
私が普段いろいろ作っている5cmキューピーと並べるとこんな感じです。