2010.1.16  布施明ライヴ '09−'10  〜思ふ思ふ〜

親と二人で布施明さんのライヴに行って来ました。
川口総合文化センターリリアメインホール(関係ないが亀戸のはリリオ)。
春と秋にコンサートツアーをやっているそうで、本日が春の初日でした。
サブタイトルが「思ふ思ふ」。
えっとやっぱり年齢層は私より上ばかりでした。はい。

英語の曲から始まり、最初怒濤のように曲が続いてトークもなく、今まで駒田さんのライヴと小林桂さんのインストアライヴとかしか行ったことないので「ほー、トークもなくひたすら歌うものなのか」と思ったのですが後からトークも入りまして、どうやら喋り出すとついひたすら喋っちゃうのでセーブしていた(?)らしい。
年末、彼が今後紅白から身を退くと表明したっていうニュースをネットで見まして、それにもちょっと触れていたのですが、最初に話した時はそういうつもりではなく、「ポップス(J-POPではなく)の枠が仮に一つしかないのなら、みんなで切磋琢磨して(その枠を競い合って)いった方がいい」というような趣旨の事を言ったらいつの間にか「紅白卒業」ということになっていたと。
そして卒業すると復学がかなわないということで、まあそれでもいいんですけどみたいな事を言っていました。
それに加えて「でもあの『布施明(62)が紅白引退』って、(62)って付ける必要あるのかな、なかったらもったいないと思ってくれるかもしれないけど(62)ってついたらもういいやって思われる」とか(あ、正確な口調は記憶していないのでかなり適当に作っております)話していて笑いを誘っていました。
いやでも素敵に年をとっているダンディさんです。
その他色々、なかなかお茶目で芸達者であることが判明。
有名どころしか曲目判らなかったのですが、「シクラメンのかほり」とか「霧の摩周湖」「君は薔薇より美しい」「恋」「愛は不死鳥」あたりはありました。その他知らない歌いっぱい。
12曲メドレーとかありまして、全部で20曲は軽々と越えていました。
三谷幸喜さんの「オケピ!」に出演した時に彼が歌った「オーボエ奏者の特別な一日」を、ライブの時に歌ったりしていると以前再演の時のパンフレットに書いてあったので聴けないかなとちょっと期待していたのですが、今回はありませんでした。そりゃ必ず歌ってるってことはないだろうから仕方ないけど、またあれ聴きたいな。

一昨年男性の曲ばかりをカバーしたアルバムを出し、去年女性の曲ばかりをカバーしたアルバムを出した(どちらも選曲は彼ではないそうです)という話をして(今調べたら「Ballade」と「Ballade U」でした)男性の書く女性詞はいいけど女性の書く女性詞は難しい、女性の書く別れ歌はみんな上から目線だという一連の話が面白かった。
女性が書くのはみんな別れた男に対して上から目線、高飛車で別れた男はよれよれになっていないといけない、色で言うとねずみ色。ということで歌ったのが竹内まりやさんの「駅」をカバーしたもの。
歌い終わって、「この歌本当に酷いですよ、『見覚えのあるレインコート』、二年前に別れた男がまだ同じコートを着ているっていう事を言いたいわけですよ、まだ同じコート着てるのって。男は大事に着てるんですよ、シーズン終わったらクリーニングに出して、次のシーズンに着る……それを言われたらどうすりゃいいの。電車の中でうつむいてるって仕事で疲れてるんですよ。それを見て『思わず涙』があふれそうにはなるけどあふれないんです」
「『今になってわかるあなたの気持ち』隣の車両から見て何がわかるんですか」……みたいな。
面白かったですけどね。私は「駅」の歌詞で上から目線感じたことはないのでそういう解釈あるのかとか、いや別に同じコート二年着ても全然悪くないですよ(むしろもっと着ますよ)とかありますけど。
ここで歌ったのは女からの上から目線、「駅」の他に男の下から目線曲とあともう一曲です。
男性の場合は別れた女性が綺麗になって一段階ステップアップしていると嬉しい、でもそういうのは男のずるさだと言われるんですが私もそう思います……という話もあったな。

あと何話してたかなー、久し振りにギター出したら弦が切れててあれっと思って、そう言えば随分弾かなかったと思い、じゃあキーボードはどうなっているかとキーボードを出したら低音が出なくなっていて、音楽の神様が怒っていると思った、また勉強していきたい、秋のコンサートでは色々変えられるかもしれないというような話もしていました。
こういう宗派を離れた、それぞれのそういうお仕事をしている人の言う「音楽の神様」「舞台の神様」「〜の神様」っていう概念、私は好きです。敬意が感じられますよね。
最初かっちり着ていた黒っぽい(ダークグレーかな)スーツに臙脂のポケットチーフ→前ボタン開けて中の臙脂のベスト見える→最後上着脱いでくる……と、袖に一端下がる度に変わっていました。
上着の裏は赤というか臙脂?でした。歌っているとき動くとときどき見える。
あれですね、男ものの黒い羽織の裏を派手に作ったような感じですか。
見えない所でみたいな。

ラストは紅白でも歌った(その曲を指定された)「マイ・ウェイ」で締めでした。
この歌の出だし「今船出が近づくこの時に ふとたたずみ私は振りかえる」、本来は「今黄昏が近づくこの時に」だったけれどこれを歌った時22歳で、22歳で黄昏が近付くのも何なので船出に変えたらしい。
ここで一旦幕が下りましたが再び上がってもう一曲。
この時は上着とベストなしで白いシャツでした。
曲はショパンのエチュード10-3に歌詞をつけたものでした。
日本語の歌詞じゃありませんでしたが、これ、昔日本語の歌詞をつけたものもありましたよね? 「♪さよなら あなたに出会えて嬉しかった」っていうやつ。聴いたのが大昔なのでそこしか覚えてないけど。
これで本当の終わりでした。

舞台じゃなくてライヴなので2時間はやらないかと思ったら2時間半位あったのかな、途中で歌詞が抜けたり(本来の歌詞と変えて歌おうと思ったらその変えた歌詞を忘れたのだとか)、同じような歌い出しの別の歌詞をちょっと歌って後ろを向き、「これじゃなかった」と言ってみたりはありましたが、2・3回袖に引っ込んだ以外はひたすら歌い喋っていて「初日にしては良かった、年齢なりにがんばりました」というお言葉。
後だともっと良くなったのかな。でも良いライヴでした。

TOP
HOME

web material by Simple Life