2000.8.26  阿修羅城の瞳

劇団☆新感線の松竹プロデュース公演「阿修羅城の瞳」を新橋演舞場に観に行って
来ました。
新橋演舞場は初めて行ったのですが、なかなか目新しいものがあります。
客席で物が食べられるし。
なかなか客席の照明が落ちなかったので、芝居中にお弁当食べる人のためにまさかこのまま? などと馬鹿なことを考えてしまいました。
ひょっとしてこの提灯の明かりもずーっと点いたままなんだろうか、とか。
でもちゃんと消えたので心配するだけ無駄でしたが。

主人公は市川染五郎さん演ずる病葉出門(わくらばいずも)という人。
十三代目安倍晴明が率いる、鬼を退治する特務機関「鬼御門(おにみかど)」に5年前までいたのですがそこを抜けて役者をしています。
そこに十三代目安倍晴明を殺した疑いで鬼御門に追われるつばき(富田靖子)という女が逃げ込んで来て二人は出会います。
追って来たのは鬼御門の出門の兄弟弟子(? みたいなもの)の安倍邪空(古田新太)なのですが、本当は晴明を殺したのは邪空。
邪空は鬼と手を結んで、千年の眠りから覚めようとしている阿修羅の力を手に入れようとしています。

つばきが晴明殺しの疑いをかけられたのは、晴明が殺された日に晴明を呼び出したからなのですが(でもあやかしがうろうろしていて行けなかった)、呼び出した訳は肩にある赤い痣。
彼女には5年より前の記憶が無いのです。
チラシとずいぶんイメージも衣装も違うけど……? と思っていたら、つばきが阿修羅になるのですね。
美惨(びざん/江波杏子)率いる鬼どもに攫われて、阿修羅としてつばきが目覚める。
つばきを愛する出門は阿修羅の誘いに応じて阿修羅城へ足を踏み入れて……というお話。

染五郎さんは今回初めて見たのですが、意外と変な(面白い)人なんですね。
えっ、かっこいいって思わなきゃいけないの?
いや、私にとっての「かっこいい」はこうじゃないんです。
あれはやっぱり「面白い」ですね。
愛だなんだと歯の浮くことを言って煙たがられていたりしてました。
つばきの後をつけさせた自分のくだぎつね(伏見稲荷の霊獣・使い魔みたいな感じで鬼御門が使っているらしい)がつばきの仲間にぼろぼろにやられたのを見つけて「パトラッシュー!」(そりゃ犬の名だ)と嘆いて首に巻いていたし。
時折客席から「高麗屋!」と声が掛かっていたのですが、私はそれを「おお」と思いつつ物珍しく見てました。

あとは悪悪な古田さんが良かったなあー。
ああいう役好きです。最後に邪空死んじゃうんですが。
祓刀斎(渡辺いっけい)も刀鍛冶に全てをかけた変な人で面白かった。
視覚的には笑死(えみし/新谷真弓)の日本人形みたいなところが好きかも。
童女の鬼ですね、小さな角が二本生えてる。
舌足らずなしゃべりがいきなり変わるのが鬼っぽい。

セットは赤い格子がいろいろな場面で早変わりしてなかなかでした。
戻り橋も、これ渡れるのかな? と思っていたら渡って行ったし(その時阿修羅は空を飛んで去って行った……)。
花道もセリ(花道にある場合はスッポンって言うのかな、いまいち用語が判ってない…(^^;)もいっぱい使って、あ、でも二階席二列目だったので花道は多分舞台側半分位しか見えなかったんですけど。これはちょっと残念でした。

観客を現実に引き戻すギャグはどうかと思うけど、でも良い舞台でした。
そしてやはり私は野波さんの写真目当てに2,800円豪華版のパンフレットを買ってきたのでした(写真集とパンフと円形うちわの箱入りセット)。
最近野波さんの写真がちょくちょく見られて嬉しいです。

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