旧石川組製糸西洋館




2018年11月、国登録有形文化財・旧石川組製糸西洋館に行ってきました。
ここは常時公開されているわけではないので、行く時には事前にチェックが必要です。
TVや映画・CMその他で色々利用されているところです。
明治26年(1893年)に創始した製糸会社であり明治から大正にかけて全国に経営を拡大していた
石川組製糸(昭和の不況で倒産)が大正11~12年頃に迎賓館として建設したそうです。
写真はクリックすると別窓で少しだけ大きくなります。




反対側から撮るとこう。
左手は別館に続いていて、こちらはスタッフの事務スペース等になっており、非公開です。



こちらは応接室です。
部屋ごとにつくりが違っていて、この部屋は寺社建築をイメージし、折上小組格天井が特徴的。



これは本棚です。右側の文字は中国の歴史書「書経」から取られ、
「物事がよく調和し、互いに関係を乱さなければ、自然と人は一つになれる」という意味だそう。
左側は本棚の由来で、この本棚は大正15年11月に製作されたものだそうです。

 

客室です。
窓の六角形ぽく出ているところが一枚目の写真で張り出している部分ですね。
(二階のこの部分は貴賓室ですが、破損が酷いため現在非公開です。)
机の上にはこの西洋館で撮影された写真の載った本が置かれ、
撮影に利用された映像作品が一部リストアップされて紹介されています。



食堂です。天井は段差のついた折上天井。
奥の角に当時の工場などを含めたジオラマが置かれています。
壁にかかっているのは当時の工場を描いた絵です。
この食堂は喫茶コーナーになっていて、注文するとこのテーブルでコーヒーを飲んだりクッキーが食べられます。

 

食堂のテーブルは当時のもので、食堂の大型サイドテーブルと共に縦の条線文の模様が
共通した意匠となっています(家具もオーダーメイドだった)。
ほかにもブドウの模様なども使われています。



こちらは玄関ホールの階段脇スペース。

 

階段の手すりの柱飾りは別に作って取り付けたのではなく
柱と共に一本の木から彫り出していて、製糸会社らしく房飾りの形をしています。
階段の一段一段も一枚の板で出来ているそうです。

 

階段を上がっていくと二階ホールです。
右写真の右側にあるのはソファーベッドで、3つ並んでいるのですが
多分一番右のもの(左の写真に側面だけ写ってます)だけ当時のものみたいです。



二階から見下ろした階段。
この階段の手すりは一本の木から彫り出してあり、それを用意できるところに当時の石川組の財力が現れています。
※つまりこれだけの太さと長さの木が必要なわけで。



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